英語での会議にまつわる2大ストレスーー「聞き取れないストレス」と「しゃべれないストレス」
時間的猶予のない方ならば応急措置で何とか乗り切りましょう。いつそんな機会が訪れるのかわからないけど、いざと言う時あわてないようにしておきたい方であれば、中期戦略や長期戦略を自分の中に作っておきましょう。
そうなんです。英語での会議は、自分に与えられた時間的猶予の長さに合った戦略が決め手なんです。ここさえ現実にうまくチューニングできれば、英語での会議は恐れるに足りません。
ところでこの写真から、参加者たちがリラックスして、自由に話している雰囲気が伝わってきませんか?この「英語云々より話してナンボ」という英語の会議の雰囲気が非常によく表れていると思います。
目次
I. 短期戦略(今すぐ何とかしたい)
1. 短期戦略の基本的な考え
短期戦略は実際に英語での会議に参加しなければならない時を想定しています。何かと力不足を感じるかもしれませんが、いかんせん時間がありません。準備を含め自分の英語が60点でも気にせずに議論そのものに集中するようにしましょう。外国人のビジネスパーソンたちが関心を持っているのは、あくまでも話す中身であって、英語ではありません。短期戦であれば、なおさらこのことを強く意識して臨みましょう。
2. 戦術
1)サバイバルツールを使い倒そう(戦術❶)
準備の時間が少ない会議や、突然招集される会議では、サバイバルツールが役立ちます。その代表的なものを紹介します。
・ビジュアルエイド(視覚資料):パワーポイント資料などを参加者全員で共有し、オーラルコミュニケーション力不足を少しでも補いましょう。可能であれば会議前に共有できれば予習もできて安心ですね。
・自動翻訳:自動翻訳には操作によるコミュニケーションラグ(若干の間合い)が生まれます。相手側があなたのプレゼン内容に非常に興味を持っている場合、相手側は多少ラグがあっても辛抱強くあなたの話を聞いてくれるかもしれません。そういう場合には自動翻訳で乗り切りましょう。一方、長い時間をかけられないような会議や、立場的に自分の発言にあまり時間を割けられない状況であれば、こうしたラグは可能な限り抑制しなければなりません。あなたが話したいことや聞きたいことをあらかじめ自動翻訳した英文を手元に用意しておくとよいでしょう。
・会議の録画:Zoomなどのミーティングでは録画機能を使い、会議後、その録画で内容を再確認してもよいでしょう。ただし、全部を視聴するにはかなりの時間がかかるので、会議中、どの議題、誰の発言、どのあたりの時間の内容がわかりにくかったのかメモしておくとよいでしょう。もちろん、会議中にわからない箇所で質問することが最善です。時間を有効に使うためにも、恥ずかしがらずに、「今あなたがおっしゃったのは~と言う意味ですか?Do you mean ~?」「もう一度言っていただけますか?Could you say that again please?) などのフレーズを使って不明箇所を速やかに確認しておきましょう。
2)アジェンダ(戦術❷)
アジェンダは、会議で論じる議題のことです。日本語でも事前に当日の議題は共有するのが一般的ですが、英語の会議においても、必ず事前にアジェンダを確かめておきましょう。アジェンダにおいて不明なことがあれば必ず事前に確認しましょう。あなたが会議主催者である場合は、アジェンダが具体的であればあるほど、当日は進行しやすくなります。一方、アジェンダがシンプルであればあるほど、当日、自分の想定外の意見や議論が発生する可能性が高くなることは知っておきましょう。
3)主要メッセージは仮暗記(戦術❸)
会議において一番避けたいのは、「自分が言うべきことをその場で言わないこと」です。あらかじめ発言内容が決まっているときは、可能な限り英語メモにしておきましょう。また、会議当日、スムーズに話せるように英文メモを何度も声に出して、馴染んでおきましょう。その際、完璧な暗記はあまり期待しない方がよいでしょう。なぜならば、いくら完璧に暗記したとしても、本番の緊張で度忘れする可能性もあるからです。それよりも主旨だけを記したメモを見ながら、当日は即興で話してみましょう。それが難しければ、フルセンテンスで書いた英文を読み上げることになりますが、その際ある程度顏を上げて話せるように、音読して馴染んでおきましょう。あらかじめ英文を声に出して馴染ませるものの、当日は多少その英文から逸脱してもよいような緩い暗記なので、仮暗記と呼んでおきます。
4)高頻度フレーズ(戦術❹)
あらかじめメモが必要なのは、オリジナリティの高い意見や発言などです。一方、会議でよく使われる定型フレーズの方は、完全暗記を目指しましょう。「Now, let’s move on to the next topic. (それでは次のテーマに移ります)」や「Let me return to what I said.(話を元に戻させてください)」のようなフレーズですね。高頻度フレーズは使っているうちに自然に記憶に定着していきますので、一言一句モデルフレーズと同じでなくても気にせずに使っていきましょう。たとえばLet’ move on to the next topic.をLet’ move on next topic.と言っても問題ないということです。内容重視のビジネスでは、学校のテストのように「toとtheが抜けていたので減点」というような心配は無用ということです。
5)イシュードリブンの威力(戦術❺)
イシューとは「今本当に答えを出すべき問題」のことです。イシュードリブンなスタンスは、会議に限らず、ビジネスパーソン全員に共有してもらいたいポイントです。私自身、イシュードリブン(イシューを起点とした)のスタンスを持ち始めてから余計な仕事が激減して身軽になりました。英語の会議においても、会議の最重要イシューさえ認識しておけば、自分の英語の文法的ミスや、表現的拙さは、イシューには何ら関係ないこともわかり、脱線した雑談やジョークが理解できないことも気にならなくなり、意識は英語そのものではなく、議論の内容(イシューとその答えの模索)に向かい始めます。あなたがすべきことは、会議で議論されるイシューに対する答えや判断材料を可能な限り用意することであり、ひとたびそれができれば、あとは自動翻訳で英訳し、メモなどにして当日披露すればよいのです。少し極端な話をするならば、もしあなたが1時間の会議でイシューの答えを導き出せるような会議貢献度の高い発言を3分できたら、あとは何もしゃべらなくてもいいのです。気の利いたネイティブらしい相づち表現などで「参加している風」を演じる必要もないのです。その代わり、必ず会議に貢献する質問や発言は1回以上は行いましょう。これなないと、「沈黙=会議にコミットしていない」と解釈されてしまいますので。
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6)カタカナの威力(戦術❻)
次の英文とその翻訳文を読み比べてみましょう。
【英文】Perspectives such as commitment, crossfunction, business impact are important in digital transformation. In particular, the stance of cross-function is important in the digital transformation of the entire value chain.
【翻訳文】デジタルトランスフォーメーションにおいて重要なのは、コミットメント、クロスファンクション、ビジネスインパクトなどの視点です。特にクロスファンクションというスタンスはバリューチェーン全体でのデジタルトランスフォーメーションにおいて重要です。
いかがでしたでしょうか?カタカナだらけで、この翻訳文では英文の原文を読むのとさして違いがないことがわかります。同時に上記の日本語を英訳する際には、デジタルトランスフォーメーション⇒digitan transformation、コミットメント⇒commitment、クロスファンクション⇒crossfunction とカタカナをそのまま英語にしていけばよいこともわかりますね。
このように、昨今のビジネス英語には、そのままカタカナにできる英語、そのまま英語にできるカタカナがあふれています。したがって、これらカタカナを英語化することより、これらカタカナの定義を理解していることの方がはるかに重要です。会議参加者間で用語定義が違ってしまうと、議論がそもそもかみ合いません。これは略語も同様です。カタカナ用語であれ略語(複合語を構成する各単語の頭文字だけを並べたもの)であれ、重要表現の定義は参加者間で共有できているか確認しておきましょう。たとえば先述のイシューであれば、英英辞書や類語辞書でsubject,やproblemなどの類義語を抑えたり、英英辞書でissue = a subject or problem that people are thinking and talking about(Cambridge Dictionary)と確認しておきましょう。略称であれば、Excuse me. What does BSW stand for? (すみません。BSWって何の略ですか?)やBSW stands for Software Defined Maas.(BSWはSoftare Defined Maasの略称です)のように質問したり説明してみましょう。
ビジネスでよく使われる略語やカタカナ用語を2分で学びましょう。
7)共有情報が多いほど本番はラク(戦術❼)
ぶっつけ本番の不安を少しでも和らげるために、可能な限り関係者各位と情報は事前共有しておきましょう。その情報が英語であるならば、事前に読み込んでおきましょう。当日交わされる議論に登場する英語理解の助けにもなります。当日の進行役が英語話者の場合、以下のような英語で、情報の事前共有を打診してみましょう。
I am not confident in my ability to understand English. So, if you have any materials to share on the day, I would like to get them in advance. By using them, I’ll prepare for the meeting.(私は自分の英語理解力に自信がありません。もし当日共有する資料などがあれば事前にもらいたいです。それらを使ってその会議に備えます)
無事、英文資料を入手したら、あとは熟読して、その英文をベースとした質問や発言を自動翻訳なども活用して作っておきましょう。「彼は英語があまり得意ではないから会議中はほとんど黙っているけど、たまにする質問や発言は的をついてるよね」と会議参加者から思ってもらえるように、しっかり準備して臨みましょう。
8)ピンかユニットか(戦術❽)
英語の会議に参加する際、日本人参加者が一人(ピン)なのか複数いる(ユニット)のか?複数人数で参加する場合、その中に英語上級者や英語話者がいるか否か?これによって準備も違ってきます。複数人数のユニットで参加する場合には、それぞれ役割を決めて準備作業を分担するとよいでしょう。特に英語上級者や英語話者とユニットを組んで参加する場合は、自分が作成した英語メモを見てもらうと安心ですね。ただしここで気を付けていただきたいのは、相手もビジネスパーソンですから、おそらくメモの内容はチェックしても、英語表現を細かくチェックはしてくれない可能性もあります。あくまでももらえるフィードバックは内容についてであり、彼らは決して英語の校正者(プルーフリーダー)ではないことはしっかり認識しておきましょう。
II. 中期戦略(英語の会議があるかもしれない)
1. 中期戦略の基本的な考え
中期戦略は、「今すぐ英語の会議の予定はないけれど、1~2年以内にそういうことが起こっても不思議ではない」という方向けのものです。何かを学習するということは、その領域の門戸を開くことを意味します。そうしますと、本人としてはまだまだ準備ができていないと思っていても、新しいチャンスがやってきたりします。私の例で恐縮ですが、私は今、データサイエンスを学び始めたところです。知識レベルは超・初級です。しかしこのことによってその方面の扉が開き、DX方面の情報が次々と自分に入ってくるのがわかります。同じことが英語にも言えます。「英語なんて全く興味なし」というスタンスですと、潜在意識で英語を寄せ付けないようにしているため、英語の会議の可能性もなかなかやってこないかもしれません。一方、英語学習により、「仕事で英語を使っている自分」を色々妄想し始めると、潜在意識レベルでの英語への障壁がなくなり、本人の想定よりも早い時期に英語を使うチャンスがやってくるかもしれません。
2. 戦術
1)ビジネスコミュニケーションのモードをしみこませる(戦術❾)
ビジネス英語のちょっと怖いところは、「ある日突然、英語で何かを遂行しなければならない時が来る」という可能性です。正直、私にもその恐怖はあります。そこで私は、自分にとって遭遇する可能性が高いタイプの英語を徹底的に聞くようにしています。スピーキングの準備とはいえ、毎日声に出すのは疲れます。それに実際、これまでも私が英語を話すときは、特に教科書を暗記するまでもなく、即興が基本でした。したがって、ビジネス英語教材を聞く際には、一つ一つの表現の暗記よりも、リスニングを通して、話す時の道筋、論理展開、相手や状況に合わせた発言の選択、といった「ビジネスコミュニケーションのモード」を身体にしみ込ませることを第一目的としています。たとえば、リスニング教材で、You’ve convinced me.(わかりました)が出てきたとき、その表現を暗記するのではなく、了解の旨を発言するタイミングや状況の方を意識します。また、実際の会話でこの表現が出なくても、I understand.などで代用すれば全く問題はありません。
<ビジネス英語のスキットを使った 「モードしみ込ませリスニング」手順>
❶ビジネス英語教材を用意:書店などで探す際は、ざっとスキット(会話場面)を見て、「この会話、自分でもできるようになりたい」と感じるものがお勧めです。
❷和文で会話の展開、効果的と思われる箇所、配慮が感じられる箇所、自分が違和感を抱く箇所などを観察。
❸英文で❷と同じことを行う。
❹音源だけを聞いて、会話の流れや、会話からうかがえるお互いへの配慮、真似したい言葉の運び方などを感じる。
❺「リスニング7 対 スピーキング3」のイメージで、時々音読する。その際、スキットの英文の完全暗記というより、会話の流れが自分に浸透することをイメージする。(一言一句忠実な暗記を目指すと、なかなか覚えられず、中途挫折しやすい)
❻ ❶から❺を十分にやり切ったら、あとは時間を見つけては音読を繰り返す。
私の著書で恐縮なのですが、会議の中核を担うプレゼンテーションとネゴシエーションが学べる通信講座の動画です。
講座の詳細情報は下記よりどうぞ。一通り通信講座の演習(2か月完結型)を終えたあとで、上記の「モードしみ込ませリスニング」に挑戦してみてください。
3) MECE(会議で漏れなくダブりなく言う)にはプレゼンが最適(戦術➓)
会議で漏れなくダブりなく自分が言いたいことを伝えるためには、プレゼンスタイルが最適です。なぜならばプレゼンはスライドに沿って話すスタイルが基本であるため、このスライド作成作業時に、話す項目の足し算と引き算ができるからです。特に話したい項目が多い時は、重複したり、伝え漏れがないよう、一度リストアップしてみましょう。そのあとプレゼンの時間があれば、スライドに項目を落とし込みましょう。特にプレゼン時間がない時は、「本日会議で必ず言いたいことリスト」というメモを手元に用意しておきましょう。なおMECEは話し手の思考の整理の一手段として活用しつつも、実際の私たちの思考は決してMECEではないことも心に留め置きましょう。というのも、私たちはたとえ同じ内容でも、それが重要であればは形を変えて何度も言及しますし、その方が相手の記憶にも残ります。また、本来は一つにまとめられるメッセージを敢えて分割して伝えた方が理解が深まったりします。その一例として、生産性とコストダウンと付加価値の向上は、「生産性はコストダウンと付加価値向上の掛け合わせ」というように一つの項目にシンプルにまとめることもできるのですが、一つ一つに分けて話した方が聞き手の理解が深まったりします。「英語力=理論+練習」とシンプルな方程式にすると一瞬クリアな感じはしますが、理論は理論として理解し、練習は練習でどういうところがポイントなのか、分けてそれぞれじっくり考えた方が理解が深まるのに似ていますね。
5)ネゴシエーションは小技の集合体(戦術⓫)
会議には、参加者の一人が発表するプレゼン的な要素と、参加者同士が意見交換し合意を目指すネゴシエーション的な要素があります。とりわけネゴシエーションというと、ベテランビジネスパーソンが体験を重ねて会得するものというイメージが強いかもしれません。しかし、交渉をよくよく観察してみると、「相手の意見に反対するときは、相手の意見を否定せず、違った見方を示す」や「批判で終わらせず、対案を必ず出す」など、細々としたスキルの集合体であることがわかります。こうしたスキルは体験的に学ぶ側面が大きいのですが、ビジネス英語教材で知識武装することも十分可能です。
※戦術❾、➓、⓫については、以下の通信講座もお勧めです。
6)小さなコミュニケーションの積み重ね(戦術⓬)
会議の成否を握るのは、当日の会議だけではありません。日頃の日常的なコミュニケーションを重ねながら、会議参加者と懇意になっておくことも重要です。
相手は生身の人間。言語的理解とは別に、その人の普段の言動などから、その人の価値観などを知ることで、「彼ならこの場合、多分賛成してくれる」「あの人はNOと言うに違いない」などの会議での相手の言動をある程度予測できるからです。特に相手が英語話者の場合、日常的なコミュニケーションを通して、その話者の英語に耳を慣らしておくことも有効です。
実は筆者にもコミュニケーションを重ねることで、聞き取りにくい英語に慣れていった経験があります。コロンビア大学大学院在学中、オーストラリア人教授の英語が全く聞き取れませんでした。しかしいろいろとやりとりをしているうちに、英語は聞き取れなくても、なんとなく彼の言わんとしていることは推測できるようになりました。
III. 長期戦略(将来に備えたい)
1. 長期戦略の基本的な考え
ここ1~2年はほとんど英語を使うことはないという方には長期戦略がよいでしょう。会議向けの特別な学習よりも、習得に時間のかかるリスニングに力を入れましょう。45分間ひたすら聞き続けるTOEICを中心とした学習もお勧めです。
2. 戦術
1) イメージトレーニングの威力(戦術⓭)
戦術❾、➓、⓫で紹介させていただいた「英語でビジネスコミュニケーション実践編 プレゼンテーション・ネゴシエーション」ではプレゼン(社内伝達・社内説得・社外伝達・社外説得)、ネゴシエーション(社内短期・社内長期・社外短期・社外長期)、合計8つのスキットが用意されています。読者が所属する業界も業種も多様であることを考慮し、なるべく汎用性の高い内容を心掛けました。とはいえ、自分の業界・業種でよく起こりそうな場面で学べることが一番の理想です。どんなビジネス英語の教材であれ、一通り学んだあとは、自分の業界・業種だったらどんな展開になるのか、どんな用語が飛び交うのか、想像しながら、オリジナルのスキットをイメージしてみましょう。
また実践においては、会議に参加する前に、その会議がどんなふうに進行していくのか?その中で自分はどのタイミングでどんな発言をするのか?可能な限り想像しておきましょう。想像するシナリオは可能であれば2つ以上用意しておきましょう。「当日何が起こるかわからない」という状態で会議に参加するよりも、たくさんシミュレーションをしたあとで参加した方が落ち着いて参加できることと思います。もちろんその落ち着きこそが、英語のパフォーマンス(リラックした話しぶり、友好的な雰囲気など)にも良い影響を与えるはずです。
2) ジョークのあつかいかた(戦術⓮)
英語話者とのやりとりで案外難しいのがジョークです。ジョークは多分に文化的背景や流行などが絡むため、その文化圏外にいる日本人には理解が難しいことも多々あります。英語話者たちがジョークで盛り上がっている輪の中に日本人だけが入れないのは少し寂しいかもしれません。しかし会議のゴールはジョークの理解ではなく、イシューに対する答えの探求であることさえ忘れなければ「ジョークが理解できない自分」を恥じる必要はありません。わかっているのかどうなのか微妙な表情(やや微笑んでいる感じ、あるいは、ちょっと困ったぐらいの表情)でその一瞬が過ぎるのを待ちましょう。ジョークがわからないのに無理に大笑いする必要はありません。
3)日本語の会議での観察・シミュレーション(戦術⓯)
巷のビジネス英語教材で、英語の会議のイメージが出来上がったら、今度は日本語での会議も観察してみましょう。参加者は皆、積極的に発言しているかどうか、会議中、イシュー解決にみんなの意識はイシューの答え探しに向かっているどうか、「意見」は活発に出ているかどうか?などなどいろいろな観察ポイントを自分なりに見つけましょう。
発言の機会もなく、ただひたすら聞いているような会議であれば、その機会を逆手にとりましょう。たとえば、頭の中で英訳を試みてもよいでしょう。日本語のスライドを見ながら、頭の中で英訳してみてもよいでしょう。誰かの発言を頭の中で同時通訳してみる。実は私自身、英語学習真っただ中にいたとき、これをやってみたことがありました。同時通訳はかなり難しいため、眠気が一気に吹っ飛び、居眠り防止に役立ちました。
IV.まとめ
いかがでしたでしょうか?英語で会議というと、どうしても、英語の表現や、リスニングなど、言語的要素に意識が向かいますが、それ以前の日頃からの会議参加者とのコミュニケーション、常にイシューに意識を集中させる習慣、英文暗記よりも英語テキストの流れやコミュニケーション上の配慮など、「英語コミュニケーションのモード」を自分に馴染ませるという発想が大切です。このように従来の暗記中心の英語学習とは違う切り口で 会議を乗り切る様々な戦術を紹介させていただきました。
本記事は英語の会議に限らず、平素の日本語の会議にも応用できる点がたくさんあります。明日からの日本語の会議でもぜひ試してみてください。